「あっ、新快速が来たよ!」
「あれは、223系の1000番台だね」
プログラミング教室プレスタの溝口です。
鉄道模型プログラミングのレッスンに来た子どもたちに「好きな電車はなに?」と質問すると、予想を超える答えが返ってきます。
小学校低学年だと、「はんきゅうでんしゃ」「きんてつしまかぜ」「サンダーバード」のようなカワイイ答えが多いですが、中には「阪急5000系」「キハ40」のようなマニアックな答えもチラホラ。
さすが、鉄道ファンは子どもでも侮れません。
冒頭の親子の会話のように、走っている列車を瞬時に見分けるのもお手のもの。
車両の特長をしっかり覚えていて、正確に答える観察力に驚かされます。電車が好きだからこそ、真剣に「勉強」しているのですね。
これは鉄道趣味以外にも応用できる、とても素晴らしい才能です。
好きなことを活かして賢くなれるとしたら、どんどん応援したくなりますよね!
「マニアック」だからこそ細部に気づく
電車の形式や細部の違いにこだわる子どもたち。時として「マニアックすぎる」と心配される場合もあります。
しかし、この特徴は以下のような優れた能力の表れなのです。
- 正確な記憶力
- 微細な違いを見分ける観察力
- 分類・体系化する思考力
- 興味対象への深い探究心
特に注目したいのは「分類・体系化する思考力」です。
電車好きの子どもたちは、単に情報を記憶するだけでなく、系列や世代、使用路線によって電車を分類し、自分なりの体系を作り上げています。
これは高度な思考力の表れと言えるでしょう。
電車の知識が何の役に立つの?
「電車の知識ばかり蓄えても、なんの役にも立たないのでないか?」と思われるかもしれません。
ここで注目してほしいのは、知識の獲得に至るまでの過程です。
無意識に行っている「思考のクセ」が、のちのち、様々な分野で役に立つのです。
1. 学術研究の場面で
- 細部まで正確に観察する力
- データを体系的に整理する能力
- 微細な違いを見分ける目
研究者にとって、わずかな違いを見逃さない観察眼は必要不可欠です。
電車の細部の違いに気づく力は、まさにこの研究者的な視点に通じるものがあります。
2. 専門的な職業で
- システムエンジニアの論理的思考
- 医師の診断力
- デザイナーの細部へのこだわり
特にIT分野では、システムの構造を理解し、小さな違いを見分ける力が重要です。
電車の構造や系統を理解する力は、こうした能力の基礎となります。
3. ビジネスの現場で
- 品質管理での緻密さ
- マーケティングでの分析力
- プロジェクト管理での体系的思考
一見、電車の知識とは無関係に思えるビジネスの世界でも、実はこれらの能力が重要視されています。
情報を正確に把握し、分析する力は、すべてのビジネスパーソンに必要なスキルなのです。
子どもの興味を育むために、親がやるべきこと
お子さんの興味を健全に伸ばすため、以下のようなアプローチをおすすめします。
子どもの気持ちに寄り添う声掛け
- 観察を褒める:「よく気がついたね!」
- 質問に付き合う:「どうしてそれが分かったの?」
- 探究を支援する:「もっと調べてみようか」
特に大切なのは、子どもの「なぜ?」という疑問に丁寧に向き合うことです。
その好奇心こそが、未来の可能性を広げる原動力となるからです。
子どもの気持ちが離れる態度
- 「電車のことはわからないから」と無関心でいる
- 「勉強しないと電車を見ちゃダメ」と制限する
- よその子の趣味と比較して優劣をつける
保護者自身が鉄道にまったく興味を持てない場合、どう接していいのかわからず戸惑うこともあると思います。
しかし、子どもが好きなものを否定せず、好奇心の表れとして肯定的に受け止めることが大切です。
まとめ 好奇心はあらゆる才能の源!
電車の形式を覚えて違いを見分ける。一見、特殊な趣味のように思えるかもしれません。
しかし、それは素晴らしい才能の芽なのです。
この特性を持つ子どもたちは、将来、その緻密さと探究心を活かして、様々な分野で活躍することでしょう。
大切なのは、この特性を個性として認め、才能として伸ばしていくこと。その興味や関心に寄り添い、支援していくことで、子どもたちの可能性はさらに広がっていくはずです。